« 2007年02月 | TOPに戻る | 2007年04月 »

女子高生恐るべし

 原作者野尻です。秋田でロケットガール養成講座を取材していたらこちらがお留守になってしまいました。帰宅してみれば6話の放映が終わっていましたが、皆さんいかがだったでしょうか。
 blogの感想を見てみてたら、「科学考証がなってない」「呪いで話が動くなんて」という声が散見されて、頭を抱えてしまいました。
 6話までの展開の本質的な部分で、物理現象に反したり、呪いで話が動いたことがあったでしょうか? よーく考えてみてください。
 着水地点がああなったことにも、様々なお膳立てが必要なことにお気づきでしょうか。もし予定通りの軌道(軌道傾斜角8度)に打ち上げられていたら、バイコヌール上空を通ったり、日本に着水する可能性はゼロです。コースを逸れたことが呪いのせいだとしたら、それは禍を生じたことになるでしょうか?
 そして勘のいい人なら「ブラジル上空で逆噴射」でピンと来たかもしれません。ブラジルとあの着水地点は大体同じ軌道面にありますから。

「手動で大気圏再突入するなんて無理だ。宇宙開発をなめるな」なんておっしゃる方もいましたが、本当にそうなのか、もう一度考えてみては。常識に反することを合理的に描くのがSFの本分ですから、「そんなバカな!」で思考停止するのは早合点というものです。
 1960年代の始めに飛行したマーキュリー宇宙船はコンピューターも電卓も積んでいませんでしたが、全員無事に生還しています。その配線図を読んでみると、主要な装置はヒューズパネル(配電盤)でバイパスされていて、計器盤や操縦桿がなくてもなんとかなるように作られていました。

 さて、活動報告や大槻さんのエントリーにある通り、次回7話ではJAXA宇宙飛行士の山崎直子さんが本人役で出演されています。これもロケットガール養成講座が縁でした。山崎さんは東大 中須賀研究室のご出身で、以前から秋田大の秋山先生と交流があったのでした。
 ゆかりとマツリが手動操縦で帰還するシーンはなかなかりりしいものでしたが、養成講座の女子高生たちもそれに比肩するものでした。たった三か月のうちにハイブリッド・ロケットとカンサットを隅々まで理解し、自分の手を動かして組み立て、自分の頭を使ってマネジメントする様子には目を見張りました。
 3月28日に行われた打ち上げそのものは60点くらいの結果になりましたが、彼女たちなら電卓と手動操縦で大気圏再突入ぐらいやってのけるでしょう。女子高生恐るべし、です。

秋田遠征してまいりました&第7話情報

 えー、大槻(仮名)です。昨日3月28日、秋田まで行って参りました。そう、『ロケットガール養成講座』の総仕上げ、打ち上げ本番の取材に行ってきたのであります。
 当日の詳細などは、野尻先生のレポートや月刊ドラゴンマガジン誌上でも紹介しようと思っておりますが、成功あり失敗あり、多少ビターな結末なれど、素晴らしいものを見せてもらったと思います。帰途はずばっと深夜バス『フローラ号』に乗ってきまして、この時間かなりもうろうとしております。ぐったり。

 さて、昨日は第6話が放映されまして、ゆかりもマツリも無事(?)に生還してきたわけですが、気になるのは第7話。あんなとこに着水していったいどうなるのか? そして、ついに登場する3人目のロケットガールとは? いろいろトピックが盛りだくさんであります。ぜひともお見逃しのないように。

 それでもってもうひとつニュース! 現役の女性宇宙飛行士である山崎直子さんが、『ロケットガール』第7話に出演なさいます! いやーびっくり。アイデアを聞いたときは実現するのかしらんと不安でしたが、まさかホントに出演していただけるとは。こちらも、ぜひともお見逃し無きよう。

 えー、ワタクシ、慣れぬ時間に活動した余波でいよいよぐんなりしてきました。
 本日はこれにて失礼いたします~。

カウントダウン!

 えー、大槻(仮名)です。会社に来たら誰もいなくて、そこで今日が祝日だってことに気づきました。そんなお約束を本気でやってしまうなんて……もうダメ。日曜日にランドセルしょって出かけたことあったけど、さすがに学校に着く前に気づいたモンなあ……。
 さて、まあそういった失意体前屈状態からようやく回復しまして、またしても今ごろ気づきました。今日5話の放映日じゃないの!
 ゆかりがいよいよ打ち上げを迎える。非常に大事なエピソードでございます。
 果たして打ち上げは無事に成功するのか!? 原作を読んでらっしゃる皆さんも、そうでない皆さんもいずれも楽しめる。そんな回になっております。ぜひ、ごらんください。
 
 

9話アフレコと4話のこと

 原作者野尻です。ロケットガール養成講座活動レポートを更新しました。レポートは一月七日の様子ですが、リアルタイムでは打ち上げを9日後にひかえていよいよ佳境です。

 3月17日、9話のアフレコに行ってきました。9話は三人目の宇宙飛行士三浦茜の試練と、彼女を気遣ってじたばたするゆかりがメインの、ちょっといい話です。茜役の長谷川静香さんは難しい長ゼリフを頑張ってこなしていました。
 写真は左からさつき役柳沢真由美さん、茜役長谷川静香さん、斑麗・亜里沙役山本彰子さん。
IMG_7034a.jpg

 そしてこの渋い男性陣は、左から安川役田中一成さん、木下役黒田崇矢さん、向井役土門仁さん。
IMG_7036.jpg

 さて、先週放映された4話はいかがだったでしょうか。原作一巻でも非常にマニアックなエピソードでしたが、よくぞアニメ化されたものです。
 そのハイブリッド・エンジンですが養成講座レポートの実物写真で説明しますと……
IMG_6061.jpg
 三つのパーツは上から固体燃料(固体推進剤)、酸化剤タンク、ジョイント部分。
 素子さんが開発しているのは固体推進剤の部分です。


IMG_6143.jpg
 これは固体推進剤・燃料容器・噴射ノズルが一体になった部分。燃焼後にカットして断面を調べたところ。燃焼は内側から外側に向かって進みます。
 よく見ないとわかりませんが、固体推進剤の厚さは3mmくらい。その外側に厚さ1cmくらいの燃料容器の筒が密着しています。これをほぼ全部固体推進剤にしてしまえ、というのが素子さんのアイデアです。最後はどうなるのかというと、酸化剤の流量を絞って圧力が上がりすぎないように加減します。
 ロケットは飛行中にどんどん軽くなっていくので、最後は加速が強くなりすぎる傾向があります。そこでスロットルを絞れば飛行士も楽になります。実現はなかなか難しいと思いますが、どうでしょうか。

 固体推進剤に高い粘結力と燃焼効率を共存させるため、素子さんはプラチナを触媒に使っています。触媒は微量ですむので、コストにはほとんど響きません。
 アニメではプラチナの結婚指輪をいきなり投げ込んでいました。私は「いったん王水に溶かして処理するところを見せては」と提案したのですが、勢いを殺さずに見せたいということであのようになりました。指輪は見えないところで瞬時に粉砕されたのでしょう。
 そのほか向井が普通の電卓を使っているところなど、細かい描写があちこちにありますので、できればDVDを買ってチェックしてみてください。

イベントのお知らせ

 えー、大槻(仮名)でございます。
 来たる3月24日(土)、25日(日)に東京ビッグサイトで開催されますイベント、『東京国際アニメフェア』。
 こちらのWOWOWさんのブースにて、25日(日)13:00よりロケットガールのトークイベントが行なわれることになりました。出演は仙台エリさん、生天目仁美さん、長谷川静香さんのお三方と、主題歌を歌ってくださっているICHIKOさん。
 詳細はまたこちらのブログや、公式サイト内でも情報をアップしますのでお楽しみに!

 しかし、アポロ計画陰謀論とはまた懐かしいですね。僕が中学生のころになぜか周囲で一世を風靡して、「はあ、世の中にはややこしいイチャモンを考える連中がおるんやなあ」と思ったモンです。その後、いろいろ調べるに連れてアメリカのもつもう一つの顔、宗教が根強く支配する国の姿を見た思いがしましたが、日本でもまだ根強く生き残ってるんですねえ。
 個人的には、月で宇宙人に出くわしちゃったけど隠してます!って陰謀論のほうは、小説のネタにもなってて好きなんですが。信じちゃいませんけどね。
 

3話のこと

 原作者野尻です。
 ロケットガール養成講座レポートに「手作りクラブハウスと工場見学」を加えました。

 さて、早くも4話の放映日になってしまいましたが、3話はいかがでしたでしょうか。
 私などは木下がアポロ計画について語る場面を観るたびにうるうるしてしまいますが、「あいつ、アポロが月へ行ったって信じてるのか」という感想があったそうで、これには少々げんなりしました。
 詳しくはWikipedia:アポロ計画陰謀論翻訳前のアメリカ。:第六十六回配信 9-11陰謀論 その1などをとっかかりに、自分の頭で考えてみてください。疑いだせばなんだって疑えますから、真偽を見分ける見識を身につけることが大切です。

 マツリが歌で魚を獲るシーン。非科学的と思うなら「音響集魚」で検索してみてくだい。タリホ族一万年の精神文化をなめてはいけません。……とはいえ、ここは少々懐疑的になってもいいと思いますけど。
 生天目さんのアカペラはとてもいいですね。アニメ化にこんなボーナスがついてくるとは思いませんでした。この歌をソロモン諸島の月夜の海岸で流したら魚が飛び出してくるでしょうか。

 素子さんの燃焼実験大爆発。球形のガスタンクまでポンポン誘爆するのはちょっとサービス過剰でした(^^;。燃焼試験施設は爆発を前提に作られていますから、実際にはあんな不様なことにはなりません。そして実験とはいえ実施前・実施後に山のような書類を書き、予算申請行脚をしたり始末書を書いたりするのが現実です。

ガニメデに空はないという

 ……昔見ていた某アニメで、芋掘りロボットがぢっと手を見ながらこんな台詞を……。
 大槻(仮名)でーす。
 さて情報が遅くなりましたが、現在発売中の月刊アニメージュ4月号(徳間書店)にて、野尻先生のインタビューが掲載されております。よろしければご覧になってくださいませ。